インプラントは歯を失った顎の骨に人体に害の少ないとされるチタンという金属でできたネジ型の
人工歯根を埋め込み、その上に歯を作る治療法です。
最近は雑誌などでもその有用性が頻繁に取り上げられています。
インプラント学はこれからもますます発展していくと思われます。

一方で普及が進み、症例数が増えるに伴い様々なトラブルの報告もあります。
他の多くの医療行為同様、完璧なものではなくいくつかの注意点もございます。
メリット・デメリットをよくご理解いただいた上でご自身の大切な歯、口の機能を回復する
治療法を患者さんにお選びいただけますよう当院でも歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・受付等
からご説明をさせていただいた上で治療方針を相談・決定させていただいています。

当院での通常の治療内容
①カウンセリング 
レントゲン・CT・型をとって模型作成・PCでのシュミレーションなどを行いご相談・ご説明させていただきます。
②同意書 
ご説明させていただいた治療内容・費用・リスクについてご理解・ご承諾いただけた場合、手術当日までに同意書にご署名いただいております。
③手術 
通常の抜歯などで用いるものと同じ局所麻酔化で歯茎を切開し、顎の骨にインプラント専用のドリルで穴を開け、チタン製のインプラントを埋め込み、必要な際は人工の骨補填材(骨を増やすのを助ける材料)を入れて縫合して終了です。通常20分~長くても1時間くらいです。
④抜糸 
翌日に消毒にお越しいただき、1週間程度で抜糸します。
⑤待機期間 
埋め込んだインプラントが顎の骨としっかり結合する期間が必要です。数か月程度かかりますので、ご予定などある際は事前にお伝え頂けましたらできるかぎり調整させていただきます。
⑥上部構造(かぶせもの)作成 
一般的なかぶせものを作る際と同様です。従来の銀歯だけでなく、院内の常勤歯科技工士2名が歯科用3Dプリンターの様な機械で白い歯をお作りすることもできます。(お選びいただく上部構造の種類によって値段が異なり、歯の位置や状態によってお選びいただけない場合もあります。)
⑦メンテナンス 
インプラントの歯が入っても、それを長くいい状態で機能させる必要があります。少なくとも半年に1度はお手入れにお越しいただけますようお願いしております。

インプラント治療にはメリットだけでなくデメリットやリスクもあります。
ご検討の際にはより詳しくご説明させていただきご不安の解消に努めさせていただきます。
ページ下部に当院での症例写真も掲載させていただいておりますのであわせてご確認いただけましたら幸いです。

メリット

・歯の上部の歯冠だけでなく、歯根まで失った場合に、入れ歯やブリッジ以外の選択肢となります。
 取り外しが不要や、他の歯を削らなくていい等の良い点があります。

・入れ歯やブリッジに比較すると、適切にメンテナンスがなされ、正しく機能しているインプラントは
 しっかり噛めるとお感じになられる方が多いです。

デメリット
・従来の治療法(ブリッジ、入れ歯)と異なり保険適応の選択肢がなく治療費が高額になります。
 当院では上のかぶせものまで含めまして1本あたり30~33万円くらいを目安としてご案内させていただいております。

・インプラントも歯周病(のような状態)になり抜けることがあります。
 インプラントの歯は、歯根部・歯冠部(歯の見えている部分)ともに人工物でむし歯にはなりません。
 しかしながら歯周病は細菌が歯・インプラントの埋まっている顎の骨を溶かしていく、「骨の病気」
 であるため、歯周病のケアをしていないと長く持たない場合があります。
 1本も歯がなく全てインプラントの場合でも歯周病のリスクがありメンテナンスが必要です。

・歯を失った原因について、インプラントの歯が入った後も継続的にメンテナンスしないと
 同様のトラブルがインプラントに発生してしまいます。
 1例を挙げると、奥歯がないまま前歯だけで噛んでいて、そこだけをインプラントにしても
 負担過多で失った歯同様にインプラントがダメになってしまうことがあります。
 インプラント治療を選択される場合は、かみ合わせ全体も含めて治療計画をよく相談の上
 進めて頂くことをお勧めします。

・歯にとって良くない生活習慣の改善も少しずつでも行わないと持ちが悪くなります。
 例えば喫煙は顎の骨の中の血流を悪くさせやすい為、インプラントには悪影響を与えます。
 事前に禁煙のメリットについてご説明の上、治療に入らせていただきます。

・あごの骨の状態が悪い場合、インプラントと顎の骨の結合が悪い場合があり、早期に抜けてしまうことがあります。
 顎の骨の状態が悪いとは、「骨が痩せて少ない」「骨密度が低すぎる、高すぎる」「骨の中の神経までの厚みが少ない」
 などです。
 インプラントそのものが歯を失った場合の治療法で、原因があるのでそれらの状態に対処する方法も様々あります。
 当院では2代目の歯科用CTで事前に骨密度、厚さ、傾きなどを計測し正確な模型を作成し入念なシュミレーションを
 して手術を行っています。安全性の高い無機物由来の骨補填材を用いて、骨の量を補う処置も行っています。

・稀なケースですが、解剖学的な観点から上下で以下のような問題が起きることもあります。上のインプラントの場合、鼻の穴の近くの空
 洞(上顎洞)にインプラントが原因で微小な穴が開いて膿がでたり臭いが気になることもあります。自然治癒で塞がることも多いです
 が、長続きする場合耳鼻科での受診をしていただく場合もあります。
 下のインプラントでは、顎の中を走る神経をインプラント手術時などに触れたりすることで、神経の軽微な麻痺が生じることがありす。
 自覚症状としては顎に触れても感じにくくなるなどです。自然治癒やビタミン剤の服用で改善することが多いです。解剖学的な問題点につ
 いては詳細に分かる歯科用CTで事前にリスクをチェックし、PC上で傾きや埋める深さなどシュミレーションして行う形で対策をとっていま
 す。

 お読みいただく患者さんに不利益が少しでも少なくなるように、起こりうるデメリットについて発生確率の低いものも含めて記させてい
 ただきました。ご不安になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的にはしっかりご相談させていただきメンテナンスを
 継続的にお受けいただけましたら、大きな問題には繋がりにくいと考えております。
 
 大学院時代、母校の大学病院インプラント科に所属していたころ毎週末にカンファレンスがありました。他院で治療され、不具合が生じ
 て来院されるケースも勉強させていただきましたが不具合に対してそれぞれリスクを減らす予防法・対処法があり少しもリカバリーできないケースは殆どなかったように思います。

 
 歯を失った際の選択肢としてインプラントは大変優れた治療法の1つであると日々診療する中で感じています。
 デメリットも合わせて出来る限りご理解いただいた上で患者さんにご選択いただけますよう
 モニターを備えた個室の診療室やカウンセリングルームで
 CTを含めたレントゲン写真や模型を用いてご説明させていただいております。文章やサイトではお伝えしにくい内容の資料もご用意させ
 ていただいておりますのでご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
 
 
 
 

私たちは毎年数多くのインプラントを施術しておりますが、患者さんそれぞれの体質・骨の状態にもより、その術式は多岐にわたります。また、平成19年からは高知県下初の保険適用歯科用X線ct装置を導入し、インプラントの診断・治療はもとより、腫よう・骨折・深く埋まっている親知らずの抜歯の診断など、より幅広い治療が可能となりました。

インプラント治療をご検討いただいている患者様のご参考になりますように
ここでは当院の代表的な6つの症例を、術前・術後と比較してお見せします。

現在の当院でのインプラント費用については上述(約30-35万/本)の通りです。
先に述べさせていただきました通り完璧な治療ではございません。
患者様がインプラント治療開始後、継続的なメンテナンスにご来院いただくというご協力をいただいて
得られた良好な結果のいくつかについてご説明させていただきます。
(それぞれのケースでご注意いただきたい点(リスク)や対処法などにつきましても記載しております。)

【症例1】60代 男性

食べられないのでインプラントにして下さいとのことで来院。まず下に7本のインプラントをいれ、その後上に9本のインプラントを入れています。上は総入れ歯から固定式になり大変喜ばれています。

*歯・インプラントを支える顎の骨が薄くなっています。今までの経過やお年を重ねていく中で致し方ない部分も大きいですが、歯石除去などを定期的に行うメンテンナンスを怠ると支えを失いインプラントが抜けてくる場合が考えられます。

症例1 術前

症例1 術前

症例1 術後

症例1 術後

【症例2】50代 女性

他の歯医者さんからの依頼で下の奥歯が噛めないとのことで来院。左右の歯を1本ずつ抜いて5本のインプラントで奥歯を作りました。家が遠方なので3ヶ月に1回のメンテナンスに通われています。

*右3本、左2本とインプラントが連結されています。噛む際の力を分散させるため、歯のない部分の長さを補う為ですが、インプラントの上部の歯の間が少し磨きにくいので歯間ブラシなどを正しく使わないと長持ちしなくなる場合が考えられます。

症例2 術前

症例2 術前

症例2 術後

症例2 術後

【症例3】50代 女性

上の奥歯がなく、長い間入れ歯を使っていましたが、固定式にしたいということでインプラントを希望され来院。左右に5本のインプラントを入れて、入れ歯から解放されて喜ばれています。

*このケースは下の歯は全てご自身の歯で、上の左右奥歯ほぼ全てがインプラントというかみ合わせになります。強く噛み締めすぎると天然歯よりは弱いインプラントの上部が欠けたり、骨に負担がかかり過ぎるリスクがあります。定期的なかみ合わせの確認・調整をお勧めしています。

症例3 術前

症例3 術前

症例3 術後

症例3 術後

【症例4】60代 女性

義歯が合わない、噛んだ時歯が動き、痛くて食べられないとのことで来院。上に6本、下に5本のインプラントを入れています。なるべく歯を抜きたくないとの希望で保存ギリギリの歯も残しています。

*初診時に上の左右前歯部は歯だけでなく顎の骨も薄く鼻の横の空洞も大きくなっています。その部分のインプラントは他の部分と比較して状態が良くない為、持ちが良くない可能性を説明の上、治療・メンテナンスをさせていただいています。

症例4 術前

症例4 術前

症例4 術後

症例4 術後

【症例5】60代 女性

上の歯が3本しかなく食べられない、よく腫れるとのことで来院。上に6本のインプラントをいれ、12本のブリッジ(連結した歯)を入れています。腫れもなくなり、よく食べられていると喜んでいただいています。

*今までの歯の残っていた状況から前歯で少し強く噛む傾向がおありの為、インプラントが入った後も前だけで噛んでしまう場合、前歯が欠けたり折れたりしやすくなるリスクについてご説明しメンテナンス時にかみ合わせの確認・調整もお勧めしています。

症例5 術前

症例5 術前

症例5 術後

症例5 術後

【症例6】40代 男性

ずっと家族にも口を開けなかった方が、どうにもならなくなり噛めるようにして下さいとのことで来院。上に10本、下に6本のインプラントを入れて噛みあわせを作りました。骨が極めてうすく難易度の高いケースでしたがきれいに仕上げて、今はメンテナンスに励んでくれています。

*インプラント治療開始前に徹底的な歯石除去など入念な歯周病治療を行い、天然歯の歯根の骨の状態等改善が見られたうえで行いましたが治療前より歯がかなり増えた為、日常のセルフ口腔ケアの負担が増すことが予想されました。来院時に歯科衛生士がブラッシング指導を
しっかりとさせていただき、磨き残しによってインプラントの周りの骨が溶かされていくことが極力少なくなるよう努めています。

症例6 術前

症例6 術前

症例6 術後

症例6 術後

以上、総入れ歯、部分入れ歯のケースでもほとんどの場合インプラントで対処できます。
入れ歯と違い固定式で自分の歯と同じようにしっかり噛みしめることができるわけです。
なるべく多くの方により侵襲の少ない方法、可能な限りシンプルな手段を用いて早く、きれいに、そして長く使っていただけるように努めております。

そのためにも定期的なメンテナンスをお願いしています。
それがインプラントのその後を大きく左右します。

費用はインプラントとそれにかぶせる物をあわせて1本30万~35万円とお考えください。